こちらまでお読み下さり本当に有難うございます。もはやこちらは東方ファンの来るところというより、歴史好きのみなさんが来る所でありましょう。
さて、拙作『黒き海に紅く』は衣玖の物語であります。衣玖たち妖の物語であります。決して、大友家臣や黒木氏の物語ではございません。
その点で、この弥十郎に関わる後日談は蛇足に過ぎないでしょう。オマケですらありません。
しかし、この後日談があるとないとで『黒き海に紅く』という作品の色は少し変わるかもしれません。黒木攻めに参加していた人間がどういう結末を向かえていったのか。このことはこの作品の印象をガラリと変えてしまう気がします。舞台の人間たちの色が変わったわけですから。
とはいえ、これはやはり自己満足に過ぎません。これは所詮、舞台装置の設定を記したに過ぎないのです。
ともあれ、物語は幕を閉じます。もはや作者の自己満足に過ぎぬところでございますので、幕は疾く引くに限るでしょう。
改めて、ここまで読んでいただいたことに御礼申し上げます。
さて、最後になりましたが参考文献を提示致します。
吉永正春『筑後戦国史』海鳥社
黒木攻めについて手っ取り早く知りたいならこの本を是非。
田北学編『編年大友史料 併大分県古文書全集26・32・33』自費出版
大友家の史料を翻刻し、年代順に並べた本。大友氏について本格的に調べる時にまずこの本から。
黒木町史編纂実務委員会編『黒木町史』黒木町
黒木の歴史を調べるならこれ。ただし、黒木攻めの話はそこまで詳しくはない。
直入町誌刊行会編集委員会『直入町史』直入町
田北の歴史はこの中に。ただし、弥十郎の話はほとんどない。
角川日本地名大辞典編纂委員会編『角川日本地名大辞典40・44』角川書店
40福岡県、44大分県を利用。黒木ならびに田北についての記述あり。
山本大・小和田哲男編『戦国大名家臣団事典・西国編』新人物往来社
戦国大名の家臣を大名ごとに挙げる。弥十郎についての記述の他、様々な人物を収録。
大分縣史料刊行會編『大分縣史料』大分縣史料刊行會
大分県の史料を翻刻し、まとめたもの。しかし大友氏治世下については上記の『編年大友史料』の方が見やすい。
金谷治訳注『荘子 四』岩波文庫
御存じ荘子の内、最も人口に膾炙する岩波文庫版。最後の訳文は当本に拠った。
他、様々な書を利用致しましたが、おおよそこのような感じであります。
興味があるならば、お読みになると良いかもしれません。
解説書きました。
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